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2019.04.02
4月1日、文化庁宮田長官へ「緊急のお願い」を提出
奈良公園内の高級リゾートホテル建設地には、室町時代の庭園遺跡があり、平成26年11月5日から12月25日までに発掘調査した結果では、第1トレンチから第8トレンチに古代の土器、瓦、須恵器などが数多く出土しています。奈良県はいつの間にか各トレンチを埋め戻していますが、現在のような地盤造成の方法では貴重な文化財が滅失してしまう恐れがあります。奈良県の工事説明会では、埋蔵文化財保護のため2メートルの盛土をすると説明していましたが、既に重機による掘削がはじまっており、盛土する様子はありません。
文化庁は当該地の現状変更許可条件として、①当該事業地についての一体的に適切な管理②掘削工事について奈良県教育委員会職員(埋蔵文化財担当)の立会③重要な遺構などが検出された場合の設計変更④現状変更の実施経過について継続的に文化審議会文化財分科会第三専門調査会名勝委員会に報告し指導を受けること、を命じておられます。しかしながら、私たちが冷静に検討すると、奈良県が前記諸条件を遵守しているとは考えられません。さらには文化財保護法の罰則規定が適用される恐れさえあります。
貴重な文化財はもとより、100年鹿が入らなかったことにより保存されてきた稀少の動植物も、重機によって蹂躙されあえなく滅失されれば二度と返ってきません。日本の文化財を守る文化庁として、至急ご来駕の上、然るべき調査をされますよう伏してお願い申し上げます。